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60代再雇用で給料半減?住宅ローンと不安を乗り越える賢い節約術

60歳で定年を迎え、同じ会社に再雇用されたものの、給料が半分以下になった時、私の心は深い霧に覆われました。現役時代は当たり前だった生活レベルが維持できなくなり、残された住宅ローンが重くのしかかります。50代後半から60代前半の私も、まさにその渦中にいました。毎日のように「このままでは、夫婦二人の老後が立ち行かないのではないか…」と、夜中に目が覚める日々。一体どこから家計の見直しに手をつければいいのか、途方に暮れていました。

なぜ60代からの家計見直しはこんなにも難しいのか?

多くの人が、私と同じように定年後の再雇用で給料が激減する現実に直面します。これは、日本の雇用制度における「再雇用」の仕組みが、どうしても現役時代と同じ給与水準を保証しない場合が多いからです。さらに、ちょうどこの年代は住宅ローンが残っていたり、子供の教育費や結婚資金の援助、親の介護費用など、予期せぬ大きな出費が重なる時期でもあります。巷には「節約術」があふれていますが、どれもこれも小手先のテクニックに見えて、根本的な解決には至らないと感じていました。まるで、バケツの底に穴が空いているのに、上から水を注ぎ続けているような感覚です。

小手先の節約では埋まらない「心の穴」:私の失敗体験

給料が半減した当初、私はとにかく「節約」という言葉に飛びつきました。スーパーでは特売品ばかりを追いかけ、電気の消し忘れには神経質になり、趣味のゴルフも控えました。妻にも「節約しなきゃ」と口癖のように言い、家の中は常にピリピリした雰囲気に。「これで本当にいいのか?」と自問自答する毎日でした。しかし、いくら細かい節約をしても、残高は目に見えて増えず、むしろ「こんなに頑張っているのに…」という無力感と、家族に申し訳ない気持ちばかりが募っていきました。心の声では「もう、どうしたらいいんだ…」と叫んでいました。

そんなある日、長年の友人であるFP(ファイナンシャルプランナー)の田中健太さんと久しぶりに会う機会がありました。私の元気のない様子を見かねた健太が、「ねえ、何か悩んでいることでもあるのかい?」と優しく声をかけてくれたのです。私はこれまでの経緯を打ち明けました。

FP友人が語る「60代からの家計見直し」の真実

私の話を聞き終えた健太は、静かにこう言いました。「君の悩みはよくわかるよ。多くの人が同じように、小手先の節約で疲弊してしまうんだ。でもね、60代からの家計見直しで本当に大切なのは、そこじゃないんだ」。

健太が教えてくれたのは、まず家計全体を「見える化」することの重要性でした。毎月の収入と支出を徹底的に洗い出し、特に大きな「固定費」にメスを入れるべきだというのです。

【健太のアドバイス:本当に効果的な3つの柱】

  • 住宅ローンの見直し: 「残債があるなら、まずは金利の見直しが最優先だ。変動金利への借り換えや、繰り上げ返済のシミュレーションをしてみる価値はある。数百万単位で変わることもあるからね」
  • 保険の見直し: 「本当に必要な保障は何か、一度全て見直してみるべきだ。特に医療保険や生命保険は、年齢とともに掛け金が高くなる。今のライフステージに合ったものになっているか確認しよう」
  • 通信費の見直し: 「スマホのキャリアやプランを見直すだけでも、年間数万円の節約になるケースは多い。格安SIMへの乗り換えも検討する価値があるよ」

さらに健太は、「節約ばかりに気を取られず、資産を『賢く守り、育てる』視点も忘れてはいけない」と付け加えました。「NISAやiDeCoといった制度を最大限に活用できているか、ポートフォリオを見直すことも大切だ。無理なリスクは避けるべきだけど、少しでも増やす努力は必要だよ」

絶望から希望へ:私の家計が劇的に変わった理由

健太のアドバイスを受け、私はすぐに行動に移しました。まず、住宅ローンの借り換えを検討し、以前より低金利の銀行に乗り換えることで、毎月の返済額を大幅に減らすことができました。次に、加入していた生命保険と医療保険を見直し、不要な特約を解約。通信費も格安SIMに切り替えたところ、想像以上の節約効果がありました。

驚いたのは、これらの「大きな見直し」をしたことで、日々の細かい節約に神経質になる必要がなくなったことです。食費や娯楽費も、無理のない範囲で楽しめるようになりました。夫婦の会話も増え、「このままでは…」という不安は、「これなら大丈夫!」という確信に変わっていきました。まさに、古い地図を新しいGPSにアップデートしたような感覚です。健太には本当に感謝しています。

よくある疑問をFP友人に聞いてみた

  • Q1: 60代で住宅ローンが残っていても、借り換えは可能ですか?
  • 「もちろん可能だよ。年齢制限はあるけれど、健康状態や収入によっては十分審査に通る。まずは複数の銀行に相談してみるのがいい」と健太。
  • Q2: 資産運用はリスクが怖いのですが、60代からでもやるべきでしょうか?
  • 「リスクとリターンのバランスが重要だね。無理のない範囲で、低リスクのインデックスファンドから始めてみるのも手だよ。長期的な視点で見れば、インフレ対策にもなる」と健太は言います。
  • Q3: 節約すると生活の質が下がる気がして…
  • 「それは大きな誤解だ。本当に必要なもの、価値あるものにお金を使う。無駄をなくすことで、むしろ生活の質は上がるんだよ。君の体験がまさにそうだろ?」と健太は笑いました。

新しい人生の羅針盤を手に入れるために

60代からの再雇用で給料が減り、経済的な不安を抱えるのは、決してあなた一人ではありません。しかし、そこで立ち止まるのではなく、賢く家計を見直すことで、必ず道は開けます。私がそうであったように、まずは「固定費」という大きな岩盤にメスを入れる勇気を持つこと。そして、必要であればファイナンシャルプランナーのような専門家の知恵を借りることです。

不安の「呪縛」を解き放ち、ゆとりの「羅針盤」を手に入れる。60代からの人生は、まだまだ新しい冒険が待っています。この経験が、あなたの未来を明るく照らす一助となれば幸いです。一歩踏み出すことで、きっと新しい景色が見えてくるはずです。

この記事を書いた人

佐藤 隆 | 62歳 | 定年後の再雇用で給料半減を経験。住宅ローンと老後資金の不安に直面し、FPの友人の助けを借りて家計をV字回復させた経験を持つ。現在は、同じ悩みを持つ人々の力になりたいとWebライターとして活動中。