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現金派65歳が、スマホで得する暮らしを始めた体験談

スーパーのレジで、初めて「取り残された」と感じた

2024年5月のある夕方、いつものスーパーのレジに並んでいた私は、後ろの若い女性の視線を背中に感じていた。

財布の中で小銭を探す手が、なかなか目当ての硬貨を見つけられない。103円のお釣りが欲しくて、1,053円を出そうとしているのに、50円玉が見つからない—。

「すみません、ちょっと待ってください…」

声が震えた。後ろには3人並んでいる。焦れば焦るほど、指先が硬貨を掴めない。

(もう、なんで私ばっかり…こんな簡単なことなのに)

結局、千円札を出した。レジの店員さんは優しく微笑んでくれたけれど、後ろの女性がスマホをかざして「ピッ」と一瞬で支払いを済ませる音が、耳に突き刺さった。

その日の夜、私はリビングのソファに座り込んだまま、動けなくなっていた。

65歳。年金生活3年目。夫は2年前に他界し、一人暮らし。買い物は週3回、チラシをチェックして、安い卵を求めて隣町のスーパーまで自転車で20分。それが私の日課だった。

でも、最近は違う。

卵は198円から298円になり、油は150円も値上がりした。チラシを見て回っても、もう「安い」と感じられる商品がない。自転車をこいで帰る坂道が、年々きつくなる。膝も痛い。

(私、何のために頑張ってるんだろう…)

その夜、娘から電話がかかってきた。

「お母さん、キャッシュレス決済使ってみたら? 今、近所のドラッグストアでポイント還元キャンペーンやってるみたいだよ」

「キャッシュレス…? あの、スマホでお金払うやつ?」

「そう。慣れれば簡単だから。今度教えに行くね」

電話を切った後、私はスマホを手に取った。娘が買ってくれた機種だけど、使っているのはLINEと電話だけ。たまに孫の写真が送られてくるのを見るくらい。

画面に並ぶアプリのアイコンは、私にとって「未知の世界」だった。

「お母さん、知らないだけで損してるかもよ」—娘の一言が胸に刺さった

翌週の日曜日、娘が来てくれた。

「ね、お母さん。このレシート見て」

娘は私が捨てようとしていた買い物レシートを手に取り、スマホのカメラでパシャリと撮影した。

「これだけでポイントがもらえるアプリがあるの。捨てるはずだった紙が、ちょっとしたお小遣いになるんだよ」

「え…? でも、大した金額じゃないでしょ?」

「そう思うでしょ? でもね、毎日コツコツ続ければ、月に数百円にはなる。お母さんが毎日買い物してるなら、もっといくかもよ」

娘はさらに続けた。

「それに、キャッシュレス決済を使えば、時期によってはポイント還元があるの。お店やキャンペーンによって違うけど、上手く使えば家計の助けになるよ」

私は黙って聞いていた。

(そんな方法があったんだ…)

「お母さん、知らないだけで、もったいないことしてるかもしれないよ」

その言葉が、胸に突き刺さった。

年金は限られている。税金も上がり、医療費もかさむ。孫の誕生日プレゼントも、以前のようには買ってあげられない。

(私、ずっと損してたのかな…)

娘は優しくスマホの画面を見せてくれた。

「大丈夫。ゆっくり一緒にやろう。お母さんならできるよ」

初めてのキャッシュレス決済—指が震えた「ピッ」の瞬間

娘と一緒に、決済アプリをダウンロードした。

銀行口座を登録する画面で、何度も入力を間違えた。「支店コードって何?」「暗証番号じゃなくて、パスワード?」—混乱して、涙が出そうになった。

「お母さん、焦らないで。一個ずつやれば大丈夫だから」

娘の声に励まされて、30分かけてなんとか登録完了。

翌日、一人でドラッグストアに行った。

いつもは現金で払う。でも今日は、スマホを握りしめてレジに向かった。

「キャッシュレスで」

自分の声が震えているのがわかった。

店員さんが笑顔でQRコードを提示してくれた。スマホのカメラを向けて—

(あれ、どこ押すんだっけ…)

後ろに人が並んでいる。焦る。手が震える。

「あの、すみません…」

「大丈夫ですよ。ゆっくりどうぞ」

店員さんの優しい声に、なんとか画面をタップ。金額が表示される。「支払う」ボタンを押す—

「ピッ」

その瞬間、レジから音が鳴った。

「ありがとうございました!」

え—?

私は呆然とスマホの画面を見つめた。支払いが完了している。

レジを離れて、外に出た。

(できた…私、できたんだ)

60年以上、現金で生きてきた。小銭を数え、お釣りを確認し、財布の重さで残高を把握してきた。

それが今、スマホ一つで終わった。

胸が少し、温かくなった。

レシートが「記録」に変わった日

その日を境に、私は変わった。

娘が教えてくれたレシート買取アプリを使って、レシートを撮影するようになった。最初は1円、2円—本当に小さな金額だったけれど、それが積み重なっていくのが楽しかった。

(捨てるはずだった紙が、記録になる)

金額以上に嬉しかったのは、「何を買ったか」が自動で記録されることだった。紙の家計簿をつけていた頃は、書き忘れたり計算を間違えたりしていたけれど、これなら正確だ。

スーパーで買い物をするたび、「今日はいくら使ったかな」と振り返るようになった。無駄遣いも減った気がする。

ある日、友人の和子さんに会った。

「あら、節子さん、最近スマホばっかり見てるわね。何してるの?」

「レシートを記録してるの。アプリで撮るだけで家計簿になるのよ」

「ええ? 本当に?」

和子さんの目が輝いた。

その日、喫茶店で1時間、私は和子さんにアプリの使い方を教えた。自分が娘に教わったように、ゆっくりと、丁寧に。

「節子さん、ありがとう。私、もう歳だからって諦めてたけど…できるのね」

和子さんの笑顔を見て、私は気づいた。

(私、誰かに教えられるようになったんだ)

「楽天シニア」との出会い—4000歩が教えてくれたこと

2024年8月、娘がまた新しいアプリを教えてくれた。

「お母さん、これ入れてみて。歩くだけでポイントが貯まるの。健康にもいいよ」

それが「楽天シニア」というアプリだった。

仕組みはこうだ。1日4000歩以上歩いて、近くの提携店舗(ドラッグストアや郵便局など)でスマホをチェックインすると、楽天ポイントがもらえる。

「4000歩か…」

私は少し考えた。普段、家にいると2000歩も歩かない日がある。でも、意識して歩けば、4000歩なら頑張れるかもしれない。

翌日から、私は朝の散歩を始めた。

雨の日の発見

最初の1週間は順調だった。でも、8月の半ばに台風が来て、3日間雨が続いた。

(雨だと外に出られない…)

困っていると、スマホに通知が来た。「雨の日でも大丈夫! 屋内でできる運動を紹介」—アプリのコラムだった。

読んでみると、「部屋の中を往復する」「階段の上り下り」「ラジオ体操」でも歩数としてカウントされると書いてあった。

その日、私は家の中で意識的に動いた。2階に洗濯物を干しに行き、何度もキッチンとリビングを往復した。夕方、スマホを見ると「4,200歩」と表示されていた。

(雨の日でも、できるんだ)

雨が上がった翌日、散歩に出ると、空気が澄んでいた。紫陽花が雨に濡れて、いつもより鮮やかに見えた。私はスマホを取り出して、写真を撮った。

「おばあちゃん、何撮ってるの?」

声をかけられて振り向くと、近所の小学生だった。

「紫陽花よ。雨上がりが一番きれいでしょう?」

「本当だ! おばあちゃん、スマホ使えるんだね」

その子は驚いた顔をしていたけれど、私は少し誇らしかった。

季節の変化と、服装の工夫

秋になると、朝晩が冷え込むようになった。

9月のある朝、半袖で散歩に出たら寒くて、途中で引き返してしまった。その日は3000歩しか歩けなかった。

(服装も考えないと…)

次の日から、私は重ね着をするようになった。朝は薄手のカーディガンを羽織り、歩いて体が温まったら脱ぐ。リュックに折りたたみ傘も入れるようにした。

11月には、ウォーキング用の軽い上着を買った。ネットで調べて、楽天市場で購入した。ポイントも使えたので、実質2000円ほどで手に入った。

(これも、デジタルのおかげだ)

杖をついた女性との出会い

12月のある日、散歩の途中で、杖をついた女性とすれ違った。

年齢は私より少し上に見えた。ゆっくりと、でも確実に歩いている。

「おはようございます」

声をかけると、その女性も笑顔で返してくれた。

「おはようございます。いい天気ですね」

「毎日、歩いてらっしゃるんですか?」

「ええ。医者に勧められて。杖があれば、安心して歩けますから」

その女性の杖は、折りたたみ式だった。

「それ、便利そうですね」

「そうなのよ。ネットで買ったの。軽くて、バッグにも入るから」

(この方も、ネットで…)

その日から、その女性—春子さんというお名前だった—と時々、散歩中に会うようになった。春子さんは75歳。夫を亡くして10年、一人暮らし。足腰が弱くなってきたけれど、歩くことを諦めたくないと言っていた。

「節子さん、私もそのアプリ、入れてみようかしら」

春子さんにも楽天シニアを紹介した。登録の手伝いをして、一緒にチェックインした。

「あら、ポイントがついた! 嬉しいわね」

春子さんの笑顔を見て、私は思った。

(デジタルって、つながりを作るものなんだ)

孫との散歩—スマホが「記録」になった日

11月の終わり、娘が孫の優太(7歳)を連れて遊びに来た。

「おばあちゃん、一緒に散歩しよ!」

優太が私の手を引く。私はスマホを持って、一緒に外に出た。

「おばあちゃん、これ何の花?」

「山茶花(さざんか)よ。冬に咲くの」

「写真撮っていい?」

優太が私のスマホを借りて、花の写真を撮った。ちょっとピンボケだけど、嬉しそうな顔が画面に映り込んでいた。

「おばあちゃん、歩数見て! もう5000歩だよ!」

優太がスマホの画面を見せてくれた。楽天シニアのアプリが、歩数をカウントしている。

「優太のおかげね。ありがとう」

「おばあちゃん、これポイントもらえるんでしょ? すごいね」

優太は目を輝かせていた。

その日の夜、娘が言った。

「お母さん、優太が『おばあちゃんかっこいい』って言ってたよ。スマホ使いこなしてるって」

(孫に、かっこいいって言ってもらえたんだ)

胸が熱くなった。

ポイントで、小さな贅沢を—でも、それだけじゃない

2024年12月20日。

私はドラッグストアに向かった。娘が教えてくれた「ウエル活」—毎月20日に対象のポイントを使うと、通常より多くの商品が買える日だ。

この数ヶ月で、レシート記録やキャッシュレス決済、歩数アプリで貯めたポイントは、合計で約3,000円分になっていた。

私はカゴに、孫が好きなお菓子と、自分用の入浴剤を入れた。

レジで、ポイントを使って支払った。

(ちょっとした贅沢ができた…)

でも、それ以上に嬉しかったのは、「自分で工夫して、ここまで来た」という実感だった。

今、私はレジで堂々としている

2025年の今、私はレジで小銭を探すことはない。

スマホを取り出し、画面を開き、「ピッ」。

後ろに並ぶ人を待たせることもなくなった。むしろ、時々「それ、どうやるんですか?」と聞かれることがある。

「最初は私も不安でしたけど、慣れれば大丈夫ですよ」

そう答える自分が、少し誇らしい。

月に一度、和子さんと春子さんと「お散歩お茶会」を開くようになった。みんなで今月の歩数を報告し合い、撮った写真を見せ合う。

「節子さんのおかげで、私、毎日が楽しくなったわ」

春子さんがそう言ってくれた時、胸が温かくなった。

(私、誰かの役に立ててる)

デジタルは、若い人だけのものじゃない。

知らないだけでできないと思っていたこと—その壁を越えられたことが、私の毎日を変えた。


あなたも、一歩踏み出してみませんか?

スマホは持っている。でも、使っているのは電話とLINEだけ—。

それは、宝箱を持っているのに、まだ開けていないのと同じかもしれません。

キャッシュレス決済、ポイント記録、歩数アプリ。最初は難しく感じるかもしれません。でも、一歩踏み出せば、少しずつ世界が変わります。

大切なのは「知ること」と「やってみること」。そして「焦らないこと」。

私にできたんだから、あなたにもできる。

さあ、一緒に小さな一歩を—。


【ご注意ください】

  • 本記事は体験談を基にした創作であり、効果や結果を保証するものではありません
  • ポイント還元率やキャンペーン内容は、時期や条件により大きく変動します。必ず公式サイトや店舗で最新情報をご確認ください
  • 各サービスの利用は、ご自身の判断と責任で行ってください
  • 記載されたサービス名は一例であり、特定の企業や商品を推奨するものではありません。他にも様々なサービスがありますので、ご自身に合ったものをお選びください
  • 歩行や運動を始める際は、体調に十分ご注意ください。持病がある方や体力に不安がある方は、事前に医師にご相談ください
  • デジタル機器の操作に不安がある場合は、家族や身近な方、または携帯ショップなどでサポートを受けることをおすすめします
  • インターネット上での個人情報の取り扱いには十分ご注意ください。不審なサイトやアプリには情報を入力しないようにしましょう

【2025年12月26日時点の情報を基にしています】


参考情報

このような暮らしの工夫について、より詳しく知りたい方は、以下のような公的機関や信頼できる情報源もご活用ください:

  • 消費者庁「高齢者の消費生活」
  • 国民生活センター「見守り情報」
  • 各自治体の高齢者向けデジタル講習会

安心・安全に、楽しく、デジタルを活用していきましょう。