MENU

60代の交際費、見栄より「賢さ」!年金生活で輝く新しい付き合い方

「あぁ、また来月もランチの誘いか…」62歳、元会社員の由美子です。夫が退職し年金生活に入った途端、現役時代には気にならなかった友人との付き合いが、急に重くのしかかるようになりました。毎月の積立NISAやiDeCoはなんとか続けていますが、年々減っていく貯蓄残高を見るたびに、胸が締め付けられるような思いになります。「このままで本当に大丈夫だろうか…」漠然とした不安が、いつも心のどこかにありました。

友人との付き合いが「重荷」に?60代が抱える交際費のジレンマ

現役時代は、仕事仲間や友人とのランチ、旅行、趣味の集まりなど、交際費は「必要経費」と割り切っていました。しかし、いざ年金生活に入ってみると、その「必要経費」が家計を圧迫する「重荷」へと変わっていったのです。

誘いを断れば、「ケチだと思われるんじゃないか」「仲間外れにされるんじゃないか」と不安になります。かといって、無理して見栄を張って付き合えば、月末には財布が空になり、夫に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。そんなジレンマの中で、私は一人、深く悩んでいました。「みんなはどうしてるんだろう…私だけがこんなに苦しいのかな…」

ある日、偶然再会した長年の友人であるFP(ファイナンシャルプランナー)の田中美咲さんに、この悩みを打ち明けた時のことです。美咲さんは私の話をじっと聞いてくれ、「由美子さん、それは多くの60代が抱える共通の悩みよ。でも、大丈夫。賢く乗り越える方法はいくらでもあるわ」と、優しく言ってくれました。彼女の言葉は、暗闇の中に差し込む光のように感じられました。

過去の自分に縛られない!FPの友人が教えてくれた「3つの知恵」

私の失敗は、まさに「過去の自分」に縛られていたことでした。退職直後、「せっかくの老後だから」と、現役時代と変わらず友人とのランチや旅行に参加。月に数回のランチ代、お茶代、時々のお土産代。年に数回の温泉旅行などが積み重なると、あっという間に数万円。「今月も赤字か…」家計簿を閉じるたびに、深いため息が漏れました。夫も「無理しなくていいんだよ」と言ってくれるのですが、その優しさが逆に私の胸を締め付けました。「このままでは、夫婦二人の老後資金が底をついてしまうかもしれない…」そんな焦燥感が募るばかりでした。

ある時、趣味の陶芸教室の友人に誘われた温泉旅行を断ったら、急に連絡が途絶えてしまったのです。「やっぱり、お金がないと付き合いもできないんだ…」孤独感が私を襲いました。

そんな時、美咲さんと再会。私は堰を切ったように苦悩を打ち明けました。「もうどうしたらいいのか分からなくて…友人関係も壊したくないし、でもお金は減っていく一方だし…」

美咲さんは私の目を見て、「由美子さん、それは『サンクコスト効果』に陥っているかもしれないわね」と教えてくれました。過去に費やした時間やお金に囚われて、今の状況に合わない選択をしてしまう心理のことだそうです。「昔の付き合い方に固執するのではなく、今の由美子さんに合った、新しい付き合い方を見つけるチャンスなのよ」その言葉に、私はハッとさせられました。

美咲さんによると、60代からの交際費節約のポイントは以下の3つだそうです。

1. 「見栄」を手放し、「本音」で話せる関係を育む

  • 本当に大切な友人なら、正直に経済状況を話しても理解してくれるはずです。

2. 「場所」や「内容」を工夫して、低コストで楽しむ

  • 高級レストランではなく、自宅での持ち寄りランチや公園でのピクニックなど。

3. 「新しいコミュニティ」で、価値観の合う仲間を見つける

  • 地域のボランティア活動や公民館の講座など、お金がかからない場所で新しい出会いを探しましょう。

今日からできる!賢く楽しむ「新しい付き合い方」3選

美咲さんのアドバイスを元に、私が実践した具体的な「新しい付き合い方」を3つご紹介します。

1. 「手作りランチ会」で心もお財布も満たされる

以前はデパート内のレストランでランチをしていましたが、これを「持ち寄りランチ会」に変えました。「今回は私がサンドイッチを焼くね!」「じゃあ私は美味しいサラダ担当!」と、みんなで分担することで、一人あたりの負担は数百円程度に激減。何より、お互いの手料理を褒め合う時間が、レストランでのランチよりもずっと温かく、心豊かに感じられました。

2. 「公園散歩&カフェテラス」で気分転換と節約を両立

映画やデパートでの買い物は、つい余計な出費がかさみがち。そこで、友人を誘って「公園散歩&カフェテラス」を提案しました。地元の大きな公園をゆっくり散歩し、季節の花々や鳥を眺めながらおしゃべり。その後、公園内のカフェでコーヒーをテイクアウトして、テラス席で一休み。体を動かすことで気分もリフレッシュでき、コーヒー代だけで贅沢な時間を過ごせます。

3. 「無料イベント巡り」で新しい発見と出会いを

地域の広報誌やインターネットで、無料のイベント情報をチェックするようになりました。図書館での朗読会、公民館での文化講座、地域の祭り、美術館の無料開放日など、探せば意外とたくさんあります。先日も、地元の歴史資料館の無料特別展に友人と行きました。普段は行かない場所だったので、新鮮な発見があり、共通の話題も増えました。

これらの工夫を始めてから、私の心は驚くほど軽くなりました。友人関係も以前と変わらず良好で、むしろ「由美子さんのアイデア、素敵ね!」と褒められることも増えました。見栄を張ることから解放され、本当に大切な友人との時間を、心から楽しめるようになったのです。

疑問を解消!60代の交際費Q&A

Q1: 友人から高価な誘いがあったら、どう断れば角が立ちませんか?

A1: FPの田中美咲さんによると、「ごめんなさい、最近は年金生活で少し出費を控えているの。でも、もっと気軽に会えるなら嬉しいな!」と、正直に、そして前向きな代替案を添えて伝えるのが良いそうです。

Q2: 見栄を張ってしまう気持ちがなかなか抜けません。どうしたら良いでしょうか?

A2: 美咲さんは、「見栄は、過去の自分や他人との比較から生まれることが多いわ。でも、今のあなたにとって本当に大切なのは何かしら?経済的な安心と、心からの友人関係じゃないかしら?」と問いかけてくれました。自分にとっての「本当の価値」に焦点を当てることで、見栄を手放しやすくなります。

輝かしい老後を!賢い大人の交際術で心も豊かに

60代からの人生は、まさに「第二の青春」です。しかし、現役時代とは異なる経済状況の中で、友人との付き合い方に悩むのは、決してあなた一人ではありません。私自身も、見栄を張って無理を重ね、孤独感に苛まれる日々を送っていました。

しかし、FPの友人、田中美咲さんの温かいアドバイスと、私自身の小さな一歩が、そんな悩みを大きく変えてくれました。経済的なゆとりと、心の豊かさ、そして本当の意味での友人との絆を手に入れることができたのです。

大切なのは、過去の習慣に縛られず、今の自分に合った「新しい付き合い方」を勇気を持って見つけることです。そして、本当に大切な友人なら、あなたの状況をきっと理解し、応援してくれるはずです。さあ、あなたも今日から、心とお財布に優しい、賢い大人の交際術を始めてみませんか?きっと、今まで以上に充実した、輝かしい老後が待っているはずです。もし一人で悩んでしまうなら、専門家であるFPへの相談も、賢い選択肢の一つですよ。

この記事を書いた人

山田 由美子 | 62歳 | 年金生活を賢く楽しむWebライター

元経理職の経験を活かし、年金生活で誰もが直面するお金の悩みを解決する記事を執筆。特に60代からの人間関係と家計管理の両立に深い関心を持ち、自身の体験談とFPの友人から得た知識を元に、読者の心に寄り添う記事を届けている。趣味は陶芸とウォーキング。